まあ子のゆる日記

中華圏を中心に旅行、ドラマ・映画、語学学習にゆるりと身を投ずる日々。

必見の中国サスペンスドラマ!「隐秘的角落」を視聴した感想。

3人の子供を中心に巡るサスペンスドラマ

2020年ごろに中国語の先生に今中国ではやっている作品ということで紹介された作品。

面白くて一度見たけど、再度見たので感想を備忘録。

 

主要な3名の子供

  • 家庭環境が複雑ながらも世間一般的に賢くおとなしい子供朱朝阳
  • 朝阳の友人だが、親が捕まり、孤児になった喧嘩ぱやい严良
  • 病気の友達を助けたい施設の子供 普普

朝阳がお母さんに黙って親友である严良と普普を家に泊めたところから話は始まる。

複雑な家庭環境から学業はできるものの学校の友達や親にもなかなか心を開くことができない朝阳が施設から抜け出した2人の友人に出会い、心の安寧を見つけるものの、彼らのために嘘を重ね、次々に事件にどんどん巻き込まれていくというストーリー。

作品全体を通じて人間の相半する側面を常に描いている

悪い人はすべて悪いのか、いい人はすべていい面しかないのか。

人間は多かれ少なかれ悪い面といい面両方を持っている。

誰かにとって悪い面であってもそれは誰かにとってはいい面かもしれない。

その狭間で悩み揺れ動き、選択をする。そういった白黒つけられない人間のグレーな感情や側面をどのキャラクターにも作っていると思う。そういった意味でなんだかリアリティもあるようなそんな気持ちにさせる作品だ。

隠喩表現で関係性を伝える脚本

朝阳の両親の教育方針は非常に対局的でどちらも主張が強いので、だから離れてしまったのかしらと直接の説明はなくとも、子供を介した家族の会話の中で視聴者に気付かせるさりげなさが面白いなと思った。学校との友達の関係性について父は将来の人脈として今から仲良くしておきなと、母は人脈より勉強だと言う。どちらの言うことも間違ってはいないが、両極端。間に挟まれている子供は大変に違いない...

オープニングも挿入曲も作品の世界観を際立たせている。

特に第1話、静かな人が怒った時の心音がどくどく聞こえる、

その不穏な空気、苦しさがすごい伝わってくる。言葉には出さずともちょっとした表情と挿入曲で不穏な空気がよく伝わってきており、曲もすごく力を入れているなと感じた。一つ一つは些細なことであっても積もり積もって登場人物の心に小さな影を落としていっている様子がなんとなく伝わる。脚本と曲、そして役者の演技がすごいなとやはり思う。

小さな影を感じる場面の例

  • 父が買ってくれた靴を再婚相手の妹が踏みつける。
  • 家族の集まりで心無い言葉を親族がいう。
  • お互いのために分かれた方がいいと正論をいう。

最後に

严良が作中で途中に発した言葉で「いい人になるって結局どういうことなんだろう」という言葉が印象的だ。この物語自体のテーマなのではないかと個人的には思う。严良は友達の病気を治すために四苦八苦した。子供や環境上どうしようもなく、打開できる相談をできる大人もいない中で友達の病気を治したい一心で努力するものの、友人に疑念を抱くようになったり危険に陥ったり。一つの側面や一般的に悪いとされる行動の裏には実は別の意味が隠されているのかもしれないと思わせる作品だった。

最後は前向きな終わりだが、最後ぎりぎりまで割と不穏な空気が続くし、はらはらどきどき続きが気になるストーリーなので、一気に見れるはず。中国ドラマにしては短く、12話だが、内容は濃い。なかなか怖い場面もあるので、20歳以上にはおすすめかな。。でも内容的には中学生以上にも見てほしい内容なのかな?と思ったりしている。